最近、HSKの過去問を漁り始めたのですが、思った以上にHSKの過去問は少なく、数が限られていることに気が付きました。
その理由の1つに、HSKが歩んできた複雑な歴史がありました。
ここではそのHSKの歴史を振り返っています。
1984年 HSKの誕生
1984年、北京言語学院(今の北京言語大学)で作られました。
この中国語能力判定テストはすくすくと育ち、1992年には国家レベルの試験に成長。
そして、現在もHSKというテストは続いておりますが、特に昨今、テスト形式がガラッと変わるハプニングが起こっているのです。
1984〜2010年まで
まずHSKが誕生してから2010年までの最も古い出題形式から。
かつてのHSKは1〜11級までの11段階の級が割り振られていました。
しかしながら、テストの出題形式はわずか3種類。
- 基礎
- 初中等
- 高等
それぞれのテストで獲得した点数ごとに、該当する級数が割り振られていたんです。
たとえば、「基礎」を受験した受験者は、スコアによって「1~3級」、または「級数なし」という称号が割り当てられます。
そして注目すべきは「口頭試験」です。
スピーキング能力を測る口頭試験はトップレベルの高等試験に付属されていました。
つまり、高等試験で好成績を残すには、スピーキング能力も必要だったのです。
いやあ、ほんとこの時代に生まれなくて良かったです。
2010〜2020年
そして今も続いているHSKの出題スタイルはこの年代に誕生しました。
ヨーロッパのテスト基準CEFRの6段階に沿って設計し直され、1から6級までの6段階のテストに変貌を遂げました。
最大の変化は、口頭試験が筆記試験と引き離されたこと。
かつては高級試験に含まれていたスピーキングでしたが、スピーキングはスピーキングとして独立。
HSKの口頭試験、通称HSKKとして独立を果たしました。
筆記試験と口頭試験はセットではなく、別々に申し込め流ようになったのです。
2021年〜
そして、現在の2021年。
HSKが大きな節目迎えます。
なんと「3ステージ・9レベル」の検定試験に変貌を遂げようとしているのです。
2010年から2020年のトップクラスだった「6級」が「中級」扱いになりまして、その1つ上に「高級レベル」が設置される予定です。
そして、高級レベルの獲得スコアによって、7〜9級の3段階の級数が割り当てられることになったのです。
注目すべきはやはり、新設予定の「7〜9級」の上級テスト。
これまで最高とされてきた「6級」をはるかに超える高い難易度の問題にチャレンジし、そこで獲得したスコアによって、三段階で格付けされる厳しい世界になりそうです。
まだまだ新形式のHSKの情報は少ないので、どうなるかは分かりませんが、HSKが曲がり角にさしかかっていることだけは確かです。
それでは!
Ken
【参考記事】