コロナで深圳に帰れず1年が経過。
2019年9月から留学していたこともあり、昨年は深圳で冬を越しました。

さて。
今年は打って変わって日本で冬を迎えましたが、ただ1点、違和感を感じました。
それは、
冬が深まるにつれて日没時間が早くなる
という現象です。
11月を過ぎたあたりから、日が短くなりすぎ、です。
冬至付近は17時には真っ暗ではありませんか。
そんな日本の冬を2年ぶりに味わい、
あれ、日本ってこんなに日が暮れるの早いのか・・・・
と母国の気象現象に気付いてしまったのです。
そこで気になってきたのが、
日本(東京)と深圳の日没時間の推移の違い
です。
深圳の日没時間はどのように推移していたのでしょうか。
日没時間の調査には、こちらの「日の出日の入り時間検索」を活用しました。
「Sunrise Equation」に「ある場所の緯度と経度」を入力すると、日の出・日没時間を自動で算出してくれるのです。
深圳と東京の日の入り日没時間を調べ、グラフ化してみました。

すると、夏至付近(6月・7月)は両都市に違いは見られません。

差が出てくるのが秋が深まる9月。
そして、10月・11月、冬至を迎える12月です。

その以降の1月・2月・3月も開きが見られます。
春を迎えた5月頃から、ふたたび日没時間が同じになる傾向が読み取れます。
日没時間の差をグラフにするとこんな感じ。

なんと、1月には「1時間12分」の違いが生じていたのです。
なぜ日没時間の推移が異なるのか?
なぜ、夏はだいたい日没時間が同じなのに、冬は差が開くのでしょうか。
その理由は「地球と太陽の関係」にありました。
ご存知の通り、地球はまっすぐ自転していません。
鉛直方向(公転軸)から23.4度傾いて回転しているらしく、この傾き軸を「地軸」と呼んでいます。

そして、地球が傾いている方角に太陽があるシーズンが夏。

傾いている方角の直線上にぴったり太陽がある日が「夏至」に当たります。
夏至の場合、北半球では緯度の高低にかかわらず日照時間は変わりません。
さて、季節は移り変わります。
地球が太陽の周りを公転し、地球の傾きとは逆に太陽があるシーズンを考えましょう。

これがいわゆる冬です。
地軸とは真逆に太陽がある日が「冬至」なのです。
この冬シーズン、緯度の高さが日没時間に直結します。
緯度が高いと、少しでも自転したら、そのエリアは影に隠れます。
一方で「緯度が低い地域」は、冬も日照時間が短くなりません。
東京の緯度は「35.7」、深圳の緯度は「22.5」で「13.2」の差が見られます。
そして、緯度の差が日没時間に影響するのは冬です。
試しに赤道に近いシンガポール(緯度1.35度)をみると、
1年を通して日没時間はほぼ19時。

2月が最長で19時20分、11月は最小で18時50分。
以上のように、北半球では赤道に近いほど日没時間は1年を通して変わりません。
いやぁ、改めて・・・緯度、大事ですね。
冬になっても日が長い赤道付近に住みてええ
と思う一方、
日没時間の変化は「四季感覚」を与えてくれる貴重なものだ、と気が付きました。
冬があるからこそ夏に味わいが出てくるものです。
4ヶ月という短い期間ではありましたが、国外に移住することで、母国の意外な一面に気づけました。
中国留学したい方は日本を飛び出し、ぜひ移り住んでみてください。
それでは!
Ken