先日、中国語の声調が気になる病にかかった、と書きました。
声調にこだわると気になってくるのが、
「一」の声調です。
「一」の場合、
後ろに何がくるかで声調が変化する
という特殊な性質を持っているからですね。
「一」の声調変化の法則を理解していないと、適当に発音するときがあります。
“一” の声調変化のまとめ
「一の声調」の変化を自分のためにもまとめてみました。
参考にしたのは『中国語の文法書』の16ページです。
「一」の本来の声調は?
まず押さえておきたいのが「一」の元々の声調。
後ろに何が来ようが、元々の声調は「一声」なのです。

「一声」の声調は、後ろにくる単語によって変化します。
後ろに「四声」→ 「二声」で発音
後ろに四声が来た場合、一の声調は「二声」になります。

例えば、
一块芒果(yí kuaì máng guǒ)
ですね。
ただし、注意が必要なのは「隠れ四声」が後ろに来る場合。
四声が変化して「軽声」になっている場合も「一」を「二声」で読むのです。
例えば、
一个芒果(yí ge máng guǒ)
のような「个」がそれに当たります。
「个」を辞書で調べてみると、オリジナルの声調は「四声」になってますからね。

後ろに「一・二・三声」→「四声」
「一・二・三声」が後ろにきたら「四声」で発音しましょう。

例えば
一般(yìbān)
ですね。
「般」は「一声」なので、その前の「一」は「四声」で発音します。
後ろに何もない → 「一声」
これまで「一」の後ろに漢字が来るケースを紹介しましたが、場合によって「何もない時」があります。
そういう例外は、
オリジナルの「一声」で発音しましょう。

例えば、
統一(tǒng yī)
です。
このように「一」で終わっている単語は本来の「一声」で発音します。
序数、数字の粒読み
その他にも例外があり、
- 序数
- 数字の粒読み
です。これも同様にオリジナルの「一声」で発音します。

序数は「何番目」などの序列の表現。
例えば
一月(yī yuè)
とか。
「粒読み」とは年代のように数字が連なっている場合。
粒読みに当てはまる場合、
「一」の声調は「一声」で発音します。
たとえば、
1997年(yī jiǔ jiǔ qī nián)
とか。
ただし、電話番号や部屋番号では「一」が「yāo」と読むので要注意。
これは七(qī)の発音と区別するためですね。
「一」の声調を制するものは声調を制する
という感じで、「一」の声調の変化は何気に大変。
例外がたくさんあって厄介です。
気をつけるべきは、
- 後ろに「四声」がくる
- 本来の「一」の声調で読む時
の2つ。
少数派に当たるケースを覚えて、あとは四声で読めばいけるんじゃないですかね。
ただ、このような声調のルールは頭で考えるよりも、
発音する時の違和感を感覚的に覚えるのが手っ取り早いです。
身体、舌で声調の変化を覚えるのです。
ただ、ときどき理論に立ち返りたくなる時もあります。
そういう時はこの記事で復習しましょう。
それでは!
Ken
【参考図書】